天使たちよ
己が往く道に ……――栄光あれ
ちーは身をていして守る |
「このバカッ」 「千秋!」 「何でこんなところにきたッ」 掬い上げるように白い翼を持つ高耶を抱きかかえて飛ぶ。 「千秋…その翼」 数日前まで純白であった翼が。 「堕ちる気、なのか…?」 「……」 黒い羽が舞う。憎たらしく口を歪め、 「おまえには関係ないだろ。さっさと戻れ」 いやだ!間髪いれず高耶は叫んだ。 千秋を包んで舞い散る白と黒の羽。その隙間から――、 ――あばよ。 笑みが覗いた。 「…千秋」 高耶は呆然と見送った。魔王の元へと向かう彼を、彼の決意を。 彼の羽は全てが漆黒に染まるのだろうか……。 |