天使たちよ
己が往く道に ……――栄光あれ
高は守られるだけではいられない |
「高耶さん」 なんでおまえの腕は暖かいのだろう。この腕を放したくない。けど――、 千秋は自らの意思で去ってみせたならば。 高耶はギュッと目を瞑り、 「――さよなら、直江」 突き放す。 「判っていた。おまえに会えたことがオレの幸福だったこと――」 高耶も選ばねばならない。進むべき道を! 「高耶さん!行ってはならないッ」 涙を振りちぎらんばかりに目尻に力を込めて、 高耶の瞳には、薬で動けない直江だけが映っていて、 ――微笑んだ。 高耶は振り向くことなく、純白の翼をはためかせた。 大いなる空へと! ――羽が舞う |