天使たちよ
己が往く道に ……――栄光あれ
色の日常 |
「直江殿は今生の景虎様の妹ぎみ、美弥様のもとを訪れた模様です」 「……」 聞かなくともその結果など色部は知っている。 なにせそこは景虎が姿を消してからマークし続けている場所の一つだ。 「念のためでしょうね」 「相手は景虎殿だ。そう簡単に我々に行方を掴ませてはくれない」 椅子を回して窓へと視線を流す。 白い流雲。太陽が見えなくとも十分明るい空…。 「八海…引き続き景虎の捜索を。分かっているとは思うが――」 ――くれぐれも内密に。 「ええ、努力致しまする」 「…………」 愛しい我が子同然の貴殿を失いたくはないのだ。 |