天使たちよ
己が往く道に ……――栄光あれ
高の行方 |
いつぶりだろうか。こうして地上へ降り立つのは。 天使も悪魔も知らずにただ高校生をやっていたのが懐かしい。 その頃に比べてこの世界は変化しただろうか…? 普遍でありそうでそうではない世界。 (美弥…) 愛しい妹には兄がいた記憶はない。それが彼女の幸せだと思って高耶を自分で殺した。 その決断は間違っていないと今でも思ってる。けど――、 『高耶は高耶だよ』 「譲…」 諭すように怒ってくれる親友に空を見上げて小さく笑みを向ける。 「それでも……――過去には戻れないんだ」 天には動かぬ星が暗く輝いている。 |