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空のごとく海のごとく
エピローグ 「親父!!」 ガウィダントは聞き覚えのある声に振り向いた。 二人の人物が近づいてくる。先頭切って少女が走ってくる。 「おじ様!!」 「おっと」 地を蹴ったセレスをガウィダントはしっかりと受け止めた。 「こら! このおてんば娘!! 元気にしてたか」 「おじ様こそ!!」 きゃっきゃと喜ぶ少女を制しながら、ゆっくり歩いてくる息子に声をかける。 「やあ、バルバ。マグに聞いたのかい?」 「親父、こんなところにいたのな」 辺りを見回した。草原が広がりその真ん中にこぢんまりとした家がある。 「こんな浮島が本当に存在するとはなぁ」 いつも浮いている場所が異なる浮遊する浮島――。この地に来るにはどうやら神石の力が必要のようだ。 ガウィダントは穏やかな微笑を浮かべている。 「おじ様会長を引退されたなら何故エルグレイドに来てくださらなかったの?」 「それはねセレス。世界一の情報使いに追われてたからだよ」 セレスは言ってることが解らなくてきょとんとしている。別に気にしなくていいと笑った。 「親父……一つだけ聞きたいことあるんだけど――……」 「何だい?」 「……――親父、俺とマグネット以外子供いないよな?」 セレスはピッと背筋を伸ばして怖ず怖ずと振り返った。 「一体いきなりどうしたんだい? その通りだよ。君のお母さんに誓って二人だけだ」 「それならいいんだ」 バルバはにっこりと清々しく笑ってみせた。 <了> エピローグ 《完》 空のごとく海のごとく |
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